設計のスキルを活かし、人の役に立てる仕事をしたい
昔から家電を分解したりするのが好きでしたし、NHKのプロジェクトXという番組でスバル360をつくった百瀬晋六さんという設計者の話に感銘を受け、モノづくりの神髄は車にあると思い、カーメーカーに憧れていました。工学部を卒業後は、輸送機器メーカーで設計をしていましたが、より人の役に立つ製品に関わる仕事がしたいという思いが強く、モルテンに転職しました。入社してすぐの仕事は、エアマットレスの設計でした。前職で扱ったことがない製品でしたが、設計はモノづくりにおいて、「必要なこと」、「できること」、「やりたいこと」を組み合わせる業務だと思います。その後、クルマイスのWheeliyの設計にも携わることになりました。
10年の設計開発が資産となり、製品監査・顧客対応へ
現在は、設計部門から品質保証部門に異動になり、製品が仕様書通りにつくられているかの確認やアドバイスなどを行う監査と、製品をご使用いただいているお客様の対応を担当しています。お客様は、病院や施設、福祉貸与事業者や個人の利用者様と多岐にわたります。お客様からは、使い方についての質問や不具合の指摘を受けたり、時にはクレームをいただくこともありますが、逆に言えば生のご意見を頂ける機会でもあり、繋がりを感じる楽しさがあります。
設計部門から品質保証部門への異動で良かったのは、製品をつくった後のことも見越して設計することの重要性を知ったことです。現場で実際に使用方法を見ることもあり、そこから逆算して製造工程に役立つ提言ができたり、「一歩先を見た設計」に活かせる力がつきました。製品の改良に向けて、他社製品を調査して、その開発背景や思想を分析したり、時には利用者様へ直接ヒアリングも行っています。改めて気づくこと、予想と違うことが多く、それが難しさでも面白さでもあります。我々の製品は購入いただいてそれで終わりではないものが多いので、消耗しやすい部分の改善や部品の取り替えやすさなど、メンテナンスに細かく配慮して、製品をつくることが求められます。
この仕事の醍醐味は、直接利用者様の声を頂けることです。先日、寝たきりの方の体位変換機能を備えた高機能エアマットレス/オスカーの利用者様から弊社ウェブサイト宛に感謝のメールをいただきました。「このマットレスは生活の必需品です、開発のメンバーにもありがとうとお伝えください」という内容でした。製品が発売開始されてから10年が経ちましたが、その間に多くの方にご使用いただいていることを思うと、感慨深くなると同時に改めて責任を感じました。人によっては医療・福祉機器は生活に欠かせないものになります。だからこそ機能・性能が重要視され、信頼できる製品が求められます。世の中には、いろいろな製品があふれていますが、我々は機能・性能だけではない、プラスアルファの価値のある製品の開発に取り組んでいきます。