インタビュー

芝高 颯斗SHIBATAKA HAYATO

工業用品事業本部 技術開発統括部 商品開発部 SVF先行開発課
(2025年4月より中国拠点へ赴任予定)

2019年新卒入社
工学部 機械システム工学科

現場と向き合いながら、設計と調整を重ねていく。

私が現在担当しているのは、自動車部品事業における「グロメット」と呼ばれるゴム部品の設計です。

グロメットは、機器をつなぎ、電力や信号を伝える役割を担うワイヤーハーネスを、水や埃、振動、摩擦などの外的要因から守る機能を担っています。ワイヤーハーネスが車における「神経や血管」だとすれば、グロメットはそれを包み込み、確実に機能させるために極めて重要な役割を果たしています。

新車種の立ち上げでは、メーカーから提示される車両レイアウトをもとに、グロメットの製品形状を検討します。一見すると問題なく見える形状であっても、量産を前提に考えると、「このままでは金型が成立しない」「安定した品質を保つのが難しい」といった課題が見えてくることも少なくありません。
そのため、設計者としての視点だけでなく、製造や品質の観点も踏まえながら、客先と打ち合わせを重ね、実際に作り続けられる形へとすり合わせていきます。

3Dデータ上では自由に設計できる一方で、量産の現場では、ミリ単位、時にはそれ以下のわずかな違いが、大きな品質トラブルにつながることがあります。細かな調整を積み重ねながら、「作れる設計」であること、そして「安定して作り続けられる設計」であることを常に意識して形状を詰めていく。そのプロセスこそが、この仕事の難しさであり、面白さでもあります。

そうした試行錯誤の先に、自分が設計した部品が実際の車両に組み付けられたときには、何とも言えない達成感があります。
さらに、その車両が完成し、街中を走っている姿をふと見かけたときには、「あの一部に自分が関わっているんだ」と実感し、自然と愛着が湧いてきますね(笑)。

2025年4月からは、中国の拠点への赴任が決まっています。
これまで日本で培ってきた設計や立ち上げの経験を活かし、現地のローカルスタッフに業務を伝え、将来的には自走できる体制をつくっていくことが新たなミッションです。
自分自身にとっても、大きな挑戦になると感じています。

帰国直前の延長。メキシコで得た「なんとかなる」という強さ。

これまでのキャリアの中で、特に強く印象に残っているのが、入社3年目に経験したメキシコでの生産立ち上げです。当時は金型技術に所属しており、初めての海外出張、しかも外注先での立ち上げという状況でした。

現地には日本人がほとんどおらず、言葉も文化も違う環境の中で、一人で判断し、行動しなければならない場面が多くありました。
通訳がいないときもあり、言葉が通じない中でも、ジェスチャーや翻訳アプリを介しながら、製品形状や加工条件といった技術的なニュアンスを必死に伝え続けました。
特に忘れられないのが、1か月の予定で渡航していた帰国3日前、トラブル対応のために急遽、「2週間の延長」を告げられた時です。

精神的にも体力的にも厳しい状況でしたが、それでも逃げずに向き合い、最終的に安定量産までこぎ着けることができました。その瞬間に味わった達成感はとても大きく、今こうしてエンジニアを続けられる礎となっています。

この経験を通じて身についたのが、「どんな状況でも、動き続けていればなんとかなる」というマインドです。
海外拠点のスタッフがよく口にする「いける!いける!」「できる!できる!」という言葉に半信半疑になりながらも、そのおおらかさに助けられ、一緒に形にしていく面白さを知ることができました。

「サッカーボール」をつくりたい——そこから始まった私のキャリア

私がモルテンへの入社を決めた一番の理由は、正直に言うと「サッカーボールの設計に関わりたかったから」でした。
学生時代、サッカーをしていた私にとって、モルテンはとても身近な存在だったのです。
ところが、配属されたのは想像していなかった工業用品、つまり自動車部品の部署でした。

最初は戸惑いもあり、「本当に自分に務まるのだろうか」と不安を少し感じましたが、持ち前のハングリー精神で「やってみないと始まらない」と切り替えました。

実際に仕事に取り組む中で、ゴムという素材の奥深さや、製品が形になるまでのプロセスの面白さに次第に引き込まれていきました。特にモルテンでは、若いうちから海外拠点の立ち上げや出張を経験できる環境があり、自分の視野が一気に広がっていく感覚を得ることができました。

今では、「この部署に配属されて本当によかった」と心から思っています。
モルテンには、新入社員向けの「モノづくり基礎教育」をはじめ、専門外の分野からでも着実に成長できる土台があります。
特定の製品への憧れをきっかけに入社しても、そこで新しい世界に出会い、自分の可能性を広げていける——そんな懐の深さが、モルテンの魅力だと感じています。

私の「つくれ。」

走りの根幹を支える、“形に残るもの”をつくる。

私が設計している部品は、普段ユーザーの目に触れることはほとんどありません。しかし、一つ欠ければ車は正常に走ることができません。見えない部分にこそ精度とこだわりを込め、人の安心や安全を形にしていきたいと考えています。
将来的には特定の分野に固執せず、さまざまな事業部で経験を積み重ねることで、技術と視野を広げていきたいです。
「この人に聞けば大丈夫」「この人がいれば安心」と思ってもらえるような、誰からも必要とされる存在を目指してがんばります。

一緒に働きたいひと

完璧じゃなくても構いません。大切なのは「まずやってみる」という姿勢だと思っています。
私自身、金型やゴムの知識はゼロからのスタートでしたが、失敗を恐れずに手を動かし、現場に足を運び続けることで、少しずつ道が開けていきました。
新しい環境や変化を前向きに楽しみながら、自分の考えを素直に伝え合える仲間と、一緒に面白いモノづくりに挑戦していきたいです。

一日のながれ

08:30 出社、メールチェック
10:00 見積もり対応(営業が受領した簡易的な形状を見て、生産性を検討)
11:00 客先・外注先との打ち合わせ(主にリモート。形状や工期を調整)
12:00 ランチ
13:00 3Dデータ・図面作成(CADを使用して詳細を詰める。複雑な形状だと1.5日かかることも)
17:15 退社(新車の立ち上げ時期などは残業して図面を仕上げることも)