現場と向き合いながら、設計と調整を重ねていく。
私が現在担当しているのは、自動車部品事業における「グロメット」と呼ばれるゴム部品の設計です。
グロメットは、機器をつなぎ、電力や信号を伝える役割を担うワイヤーハーネスを、水や埃、振動、摩擦などの外的要因から守る機能を担っています。ワイヤーハーネスが車における「神経や血管」だとすれば、グロメットはそれを包み込み、確実に機能させるために極めて重要な役割を果たしています。
新車種の立ち上げでは、メーカーから提示される車両レイアウトをもとに、グロメットの製品形状を検討します。一見すると問題なく見える形状であっても、量産を前提に考えると、「このままでは金型が成立しない」「安定した品質を保つのが難しい」といった課題が見えてくることも少なくありません。
そのため、設計者としての視点だけでなく、製造や品質の観点も踏まえながら、客先と打ち合わせを重ね、実際に作り続けられる形へとすり合わせていきます。
3Dデータ上では自由に設計できる一方で、量産の現場では、ミリ単位、時にはそれ以下のわずかな違いが、大きな品質トラブルにつながることがあります。細かな調整を積み重ねながら、「作れる設計」であること、そして「安定して作り続けられる設計」であることを常に意識して形状を詰めていく。そのプロセスこそが、この仕事の難しさであり、面白さでもあります。
そうした試行錯誤の先に、自分が設計した部品が実際の車両に組み付けられたときには、何とも言えない達成感があります。
さらに、その車両が完成し、街中を走っている姿をふと見かけたときには、「あの一部に自分が関わっているんだ」と実感し、自然と愛着が湧いてきますね(笑)。
2025年4月からは、中国の拠点への赴任が決まっています。
これまで日本で培ってきた設計や立ち上げの経験を活かし、現地のローカルスタッフに業務を伝え、将来的には自走できる体制をつくっていくことが新たなミッションです。
自分自身にとっても、大きな挑戦になると感じています。